夜空

仕事の帰り道





もうかなり遅い時間だ






駅からの帰路にも関わらず





他に歩いている姿は見当たらない





ふと・・・立ち止まり





僕は夜空を見た





「キレイな星だな・・・」





こうやって夜空を眺めるのは






いつ以来だろうか・・・・？





このキレイな星空を見ている人は





他にもいるだろうか






「最近、忙しかったからな・・・」





そう呟き、歩き出した






「俺は・・・何やっているんだろう」






夢を追いかけていた頃がなつかしい




理想を追いかけていたあの頃





しかし理想だけじゃ生きていけない









理想と現実の差







理想は優しく暖かい




自分の憧れである




しかし




夜空の星と同じく




過去の光でしかない








現実は厳しく冷たい




理想が夜空の星の光なら




現実はそれを包む闇





冷たく深い





この深い闇に





人は耐えなければならない





僕は耐えなければならない





「現実は厳しいな・・・」





でも厳しい世界でも生きていける





なぜなら






そんな闇の世界から




僕を救ってくれる





太陽のような存在





そういう人、そういう環境が





僕を救ってくれる





ありがとう




いつも輝いてくれて





ありがとう






そして僕は自宅の扉を開けた

世界が終わるまでわぁぁぁぁぁ

世界の終わりって

どんな時だと思いますか？

核戦争が起きたとき？

新種ウイルスによって不治の感染病が蔓延したとき？

隕石が地球に落ちたとき？

オゾン層がなくなり太陽風に地表がさらされたとき？

恐怖の大魔王がふってきたとき？

いろいろありそうですが、

一番身近な世界の終わりは・・・

自分の死です。

なに言ってるんだ？この野郎とか思われるかもしれませんが

自分が認識しているこの世界、歴史、時間は

自分が死んだと同時に消滅するのです

うーん・・・いまいち伝わらない気が・・・

自分が認識して感じてるものが

世の中のすべてなんですよ。

自分が生まれたときに１人１人に

世界が出来

死んだときに、消滅する

夢の世界とかあるでしょう？

夢を見ている限り、そこには別の世界が存在してます

だけど起きたらその世界は消滅しちゃうのです

例えば自分が死んだ後に地球が爆発するように

なっていたとします。

その設定だと　自分の死＝地球爆発

　　　　　　　　　地球爆発＝世界の終わり　ですよね？

でも死んだら確認できないでしょ？その爆発。

実際爆発しても爆発しなくても

自分が認識できるわけじゃない

つまり自分の死＝世界の終わりに省略できないでしょうか？





数学的な証明な感じにしたかったけど

そこまで学力がないって悲しいね

馬鹿ですんません

もう・・・死にたい

死にたい・・・

そう思った。

だけど僕にはそんな勇気がない

一人で飲み屋で飲んで、時間を潰していた。

やることなどない。

お酒も飲みたいわけではない。

ただ・・・一人でいるのが淋しかった。

だから飲み屋で飲んでいた。

希望もない。おもしろくない。

生きてる価値がない

そう思えてくる。

僕は罪を背負って生きている。

しょうがないと思っているし、誰もがそう思うだろう

だが僕の罪なのだ。

罪なんて

消えるわけない

泣いたって、悔やんだって

消えない

やはり

死ぬしかないのだと・・・

なんか暗い顔してどうしたの？

ふと、大学生ぐらいの女の子が話しかけてきた

どうやら酔っているようだ

いや、なんでもないです。

もう帰ります

僕はそう言った

死にたいの？

そう言われた。ドキっとした

すごく驚いた。

なんで・・・？？

顔を見ればわかるよ～。なんにも楽しいことがないって顔♪

うるさい女だ。

一体なんなんだ？

そう思うならほっといて欲しい

そう見えますかね？

中途半端な笑顔で答えた。

あのね。わたし、こんなの持ってるんだ。

と薬を出してきた。

これ猛毒なの。しかも身体にすぐ吸収されて

使ったことがばれない薬なんだ。

なんだ？この女は。

そんな薬があるわけ・・・というか

あっても簡単に所持できるものではないだろう・・・？

すごいですね。それがあれば完全犯罪も余裕ですね

と、適当に相槌を打った

これで誰か殺しなよ？

そうすれば悩みが吹っ飛ぶかもよ？

なんてアホな女だ。

そんなことしたら、罪が増える

それに吹っ飛ぶわけないだろう

よし・・・

あはは。ありがとうございます

その薬を彼女から少し強引に奪い。

自分の口に入れた。

これで死んでもいい・・・嘘でもいい。

なにしてるの！！！

女の子の

ド鋭いボディーブローが

僕のリバーに突き刺さった

するどい痛みが僕を襲う

アバラが２、３本折れたようだ

そしてものすごい吐き気がして

薬を吐いてしまった

ガホッ！ゲホッ！・・・なにするんですか・・・？

苦痛で歪んだ顔でたずねると

そんなことしたらダメ！

あなたが死んだら悲しむ人がいる！

それにあなたは

この世のすべてのモノに生かされてるの！

あなただけの命じゃない！

すべてのモノに感謝して生き続けないといけないの！

じゃあ、なんでこんな薬よこしたんだよ・・・

と思いつつも

彼女の言葉が胸に響いた。

そう・・・かもしれない。

そう呟いた。いや痛みで呟くことしかできなかったかもしれない

それを聞くと彼女は微笑み。

わかればいいよ♪

ほら行こ！

イイトコに連れて行ってあげる！

言われるがままに夜の街に僕と彼女は消えていった・・・

そうやって・・・僕は

宗教に入信しました